M0309 銀大益
Yín Dà Yì
2003年に作られた銀大益の2012年版。熟成が進みぐっと味わいに深みが出ました。早い回甘と煙味がコクがありながらもすっきりとした味わいに仕上がって来ました。
形状 | 餅茶小分け |
---|---|
製造 | 2012年 |
茶廠 | 孟海茶廠 |
産地 | 孟海茶区 |
熟生 | 生茶 |
特徴 | 銘茶銀大益 |
味の評価
- 甘味
- ★★★★☆
- まろみ
- ★★★☆☆
- 渋味
- ★☆☆☆☆
- 苦味
- ★★★★☆
- 酸味
- ★☆☆☆☆
- 香り
- ★★★★★
- 熟成度
- ★★★★☆
解説:銀大益
2012年に作られた銀大益の復刻品です。
出来立ての頃はすっきりとした軽い味わいでしたが、熟成とともに重厚感のある、初代銀大益の味わいが出て来ました。
銀大益は、2003年に台湾の飛台公司のオーダーによって作られました。一緒にオーダーされた金大益とともに銀大益は国営時代の孟海茶廠の最後の銘茶となります。
(孟海茶廠は2004年に民営化されました)
この銀大益は2003年銀大益の後を継ぐべく作られたプーアル茶です。パッケージを見ると、「経典再現」、「高山源韻」の文字を見つけることができます。
「経典再現」とは名作茶、2003年銀大益のレシピを再現しているとの意味で、「高山源韻」は品質の証で、その意味するところは高山茶(気温差がある環境で茶葉がしっかりと旨味を蓄える)を使用して滋味あふれるおいしさといったところで、現在の孟海茶廠の品質証明といった意味合いがあります。
包みを開けるとしっかりとしまった茶餅が現れます。
餅面には若芽が配され、しっかりと締められた茶餅は六年分の熟成の色が見て取れっます。茶餅の中に埋められた内飛は高級茶の証である紫色の内飛が埋まっています。
以前は香さわやか&味すっきりの印象のプーアル茶でしたが、熟成を経て香は濃密に、味わいは濃厚にとその印象は大きく変わりました。
出来立ての当時は「さわやかな、リンゴを連想させる」と表現していましたが、六年の熟成を経ることで生まれた濃厚さは印象は大きく変わりました。
初代銀大益には特徴的な煙味がありましたが、この2012年の銀大益には感じることができませんでした。
熟成とともに以前よりも強く淹れることができるようになると、その味わいに煙味が見えて来ました。この煙味は茶葉の持つ味わいでこのように成長するとは思っていませんでした。
プーアル茶の面白さです。
この銀大益の特徴は「早い回甘」といえるでしょう。
回甘とはお茶のもつ甘い後味を意味し、一般的に回甘を早く感じること、そして長く続くことが良しとされます。
この銀大益の回甘は特別早く、口に含んだ時点で回甘がやって来るというほどで、プーアル茶自体の味と回甘の味わいとが渾然一体となり、特別な美味しさを醸し出しています。
葉底(煎じた後の茶葉)は小さくよくまとまっています。
新芽の葉先を摘んだ小さい若芽が多く、しっかりと柔捻されています。細く尖った茶葉が多くなっています。
熟成が進みその印象を大きくかえた2012年の銀大益ですが、まだまだ熟成の余地をたっぷりと残しています。
この先五年、十年とさらなる熟成が楽しみな銀大益、ぜひお手元でお育てください。
<こちらもどうぞ>
元祖銀大益は煙味がその特徴
⇒銀大益 2003年
銀大益といえば金大益
⇒金大益 2011年
【プーアル茶の記録】
・2013年7月
鮮やかな黄色、香も穏やかで爽やか。飲みやすいプーアル茶。
・2017年4月
以前は「さわやかな、リンゴを連想させる」と表現していましたが、5年の熟成を経ることで生まれた濃厚さは印象は大きく変わりましたが確かにその延長線上にいます。例えるなら「焼きリンゴを連想させる凝縮感」といったところでしょうか。
お客様の声
ものすごく甘くなります。
東京都 T.Y様
銀大益は、実はあまり期待していませんでした。フルーティで軽めな感じを想像したためですが、良い意味で裏切られました。濃く淹れる質なので、一煎目は確かに苦味が立ちますが、強いというより、渋味も酸味も薄いスッキリした風味なので、それが目立って感じられるという印象です。それも三煎目で消えます。特筆すべきは、解説にあるりんごのような風味が回甘と一緒に一拍遅れて上がってきて、しかも、いつまでも口に残ることです。これがとても爽やかな香りです。煙味をはじめいろいろな風味がいっぺんに厚みを持って襲ってくる派手な金大益とは好対照で、地味だけれどスッキリ爽やかで旨味もある。なるほど金と銀だと、ヘンな感心の仕方をしてしまいました。ちなみに、一日水筒に入れていると、香りは落ちないまま、ものすごく甘くなります。苦味の苦手な方は少ない茶葉で長時間抽出されるとよいと思います。
のんびりお茶を楽しみたいときにぴったりのお茶だと思います。
埼玉県 Y.N様
今回はワンランク上のお茶に挑戦してみようと思い、悩んだ末に当時の今月のお勧めだった
M0309 / 銀大益2012年、を購入しました。
若い生茶だからか、蒸らしすぎると苦味がきついです。最初のうちは、お湯を注いだらすぐに茶海に移して飲むと丁度良い感じになりまし
た。その後薄くなったら徐々に蒸らす時間を延ばしています。
入れ加減は御社のサイトに掲載されているお茶の色が大変参考になりました、大変感謝しております。
香りは甘い香りだけがします。普段飲んでいるプーアル茶独特の漢方みたいな香り(?)はしなかったです。味は甘くてあっさりしていると思いました。
甘い香りを楽しみつつ飲んでいくうちに口の中でも甘みが広がり、飲み終わった後でも甘みの余韻が残って心地よい気分になります。ちょっと入れ方が難しいけれど、のんびりお茶を楽しみたいときにぴったりのお茶だと思います。
当店からの返信
銀大益は2012年のプーアル茶でまだまだ若い生茶です。
若い生茶は濃く入れると苦み渋みが強くなるので入れる時間を短くあっさりと入れるのがコツです。または茶葉の量を少なめにして(またはお湯の量を多めに)ゆっくり蒸らすなど入れ方に工夫が必要となってきます。
プーアル茶は本来的には生茶が基本となります。
それを何年も熟成させることによってプーアル茶の風味がはぐくまれてきます。熟成の目安としては、5年程度を一区切りとして味の変化が見えてきます。その後もさらに10-20年ほどゆっくりと味わいを変化させながら飲 み頃のピークを迎えます。
一方熟茶は製造の段階で渥堆と呼ばれる発酵を行うことによって、できたてながら何十年も熟成させた生茶のような風味を持たせるように作られて います。なので、熟茶は茶色の水色、まろやかさ、プーアル茶らしい独特の香りといった特徴を持っています。
とはいえ、上にも書いてあるように熟茶は「生茶のような」風味に作られており、やはり長期間熟成させた生茶とは風味が異なります。以前、初代昌泰号復刻品とともにお求めいただいた初代昌泰号は熟成具合もちょうど良い十年熟成のプーアル茶らしい生茶になっています。今回の銀大益も長い時間をかけてゆっくりと熟成が進んでいくので末永くお楽しみいただければと存じます。
M0303
金大益
Jīn Dà Yì
孟海茶廠 2011年
販売重量 20g / 357g
5,800円
現代の銘茶、金大益
表示価格は小分け(20g)のものとなります。15つご注文いただくと塊り(357g)でのお届けとなります。