水によるプーアル茶の味の違い
お茶をいれるには軟水の方ががいいと言われています。
事実、プーアル茶に関わらず水によってお茶の味は変わってきます。
こだわると水にまでこだわりたくなってしまうものです。
水の品質検査項目にはいろいろありますが、味と最も相関がある物は「硬度」です。プーアルカフェでは特に硬度に焦点をあてて水とお茶の関係を見て行きます。
水の硬度
水の硬度とよく聞きますが、いったい硬度とは何でしょうか?
硬度と英語のhardnessの直訳なのですが、もともとの意味する所は、石けんの泡立ちを大変(hard)にする言った意味でhardが使われていました。温泉などでは温泉水に含まれているミネラル(硫黄など)によって石けんが泡立ちにくいことがあるように、硬度とは水の中にどれだけミネラル分(金属成分)が含まれるかということです。ミネラルにはマグネシウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムなどがありますが、実際硬度を決める際に考慮されるのはカルシウムとマグネシウムのイオンの量でそれらをCaCO3に換算した量で硬度は計算されます。
硬度と硬水軟水の関係は国により様々で、軟水の多い日本では特に定義はありません。東京都水道局によると水質基準となるのは硬度300で、硬度10〜100までが美味しい水となっています。現在日本でいろいろな国の様々な硬度のミネラルウォーターが簡単に手に入ります。なのでプーアルカフェではウィキペディア(英語版)の硬水、軟水の基準を引用します。
軟水 | 0~70 | 軟硬水 | 70〜140 | 弱硬水 | 140〜210 |
---|---|---|---|---|---|
中硬水 | 210〜320 | 硬水 | 320〜530 | 超硬水 | 530〜 |
参考までにWHOで定義されている標準軟水、標準硬水はそれぞれ34.2と342となります。
- 水の硬度の影響
- お茶をいれるには軟水が良いと言われますがそれはどういった理由なのでしょうか?上の表にあるように、ミネラル成分が高く(=硬度が高く)なるとお茶の味が水の味に影響を受けるだけではなく、その他の影響も出てきます。軟水と硬水の特徴を見てみましょう。
- 軟水
-
- ・雑味が少ないのでお茶の味を良く感じることができる
- ・溶けているミネラルが少ないのでお茶成分がよく溶け抽出力が高い
- ・ミネラル分が少ないのでお茶成分と化学的反応を起こしにくい
- 硬水
-
- ・ ミネラル分味がお茶の味に影響する
- ・ 溶けているミネラル分が多いのでお茶の雑味を抽出しない
- ・ ミネラル分が多いのでお茶成分と化学反応を起こしやすい
といった影響があります。
などで硬度によるお茶の味への影響をまとめると、
- 1、水の味がお茶の味に影響する
- 2、お茶成分の抽出力の違い
- 3、化学的変化
と言った感じでしょうか。
では、それぞれの影響についてもう少し見てみましょう。
水の味のお茶の味への影響
お茶の味は水の味に大きく依存します。その水の味は含まれているミネラル分の味です。基本的に軟水はミネラル分が少ないのでほのかな甘みを感じます。硬水はミネラル分が多いので特徴のある味になります。以下に主なミネラル分の味をまとめてみました。
ミネラル | 味への影響 |
---|---|
マグネシウム | 多すぎると苦味、渋味を強く感じる |
カリウム | 少量では甘みを、多くなりすぎると塩見を感じる。 |
ナトリウム | 少量では甘みを、多くなりすぎると塩見を感じる。 |
カルシウム | 量が増えると甘み、とろみを感じるが、クセも強くなり飲みにくい。 |
お茶をいれると基本はお茶の味に水の味が足されることになります。そのため、軟水は雑味が少なく、お茶の味が立ち、苦味の強いお茶になると言われます。しかし、軟水でお茶の味が強いというのはどうやらそれだけではなさそうです。
抽出力について
水の中に塩を溶かすほど砂糖が溶けにくくなるように、様々なミネラル分を多く含む硬水は軟水に比べお茶成分を解かす力が弱く、抽出力が弱くなります。そのため軟水でいれたお茶は、もともとの雑味の無い味にさらにお茶の風味がよく出るのでお茶の味が強くなりそうです。とはいえ、硬水には更なる影響もあります。
化学変化について
硬水のもともとの基準は石けんの泡立ちにくさだと上で述べましたが、それは硬水に多く含まれるミネラル分が石けん成分と反応してしまうからです。それと似たようにお茶ではタンニンがミネラル分と反応して塩を生成して味や色などに影響を及ぼします。
まとめ
以上見てみたように水はお茶の味に影響を与えます。硬水はお茶に与える影響が大きく、軟水はお茶の味を引き立ててくれそうです。なので先人達の言うようにお茶を飲むには軟水が良いというのは正しいと言えます。
美味しいプーアル茶を飲みたい!というときはプーアルカフェではボルヴィックをお勧めします。
しかし「百聞は一見に如かず」とも言います。プーアルカフェではいくつかのミネラルウォーターを使って実験をしてみました。
必見です。